睡眠時間が短い人は肥満になりやすい

 皆さん,毎日きちんと睡眠時間を確保できていますか。望ましい睡眠時間は7時間半から8時間だといわれています(Michael Thorpy, MD(※1)の発言より)。コロンビア大学のNational Health and Nutrition Examination Survey を基にした研究発表では,平均睡眠時間が4時間以下の人は,望ましいとされている平均睡眠時間7時間の人に比べて73%も肥満になる確率が高く,睡眠時間が5時間の人は50%,睡眠時間が6時間の人は23%肥満になる確率が高くなるとのことです。

7~9時間眠るヒトに比べると、4時間以下しか眠らないヒトは、なんと73%も肥満になりやすいという発表がありました。ちなみに5時間程度でも50%、6時間でも23%それぞれ太りやすいという結果でした。(コロンビア大、対象1万8000人、32~59歳)

原因としては、起きていることによる消費カロリー以上に、つい食べてしまうことが多いのが太る原因ではないかという推論でした。

そしてコレは延々先祖までさかのぼって、人間が食物の多い夏に栄養を蓄えていた時代の名残では?(=夏は夜が短いので睡眠時間が少ない。睡眠時間の少ないヒトは夏と同じ状態に体がなっているので太りやすいのでは?)ということまで推論されていました。

睡眠が不足して太るのはホルモンのせい

 では,なぜ睡眠不足が,太る原因になるのでしょうか。それは,睡眠とホルモンが,私たちの食事態度に影響を与えるからなのです。空腹を感じるホルモンである「ghrelin(グレリン)」と呼ばれるホルモンと,脳に「もうこれ以上食べるのはやめよう」と指令を出す「Leptin(レプチン)」というホルモンの存在が関係するのです。睡眠不足になると,ghrelin が増え,Leptinが減少するため,空腹を感じる作用が鈍くなり,食欲が増進され,肥満になるのです。

 シカゴ大学メディカルセンターによると,健康な若い男性に2日間とも睡眠時間を4時間に限るという調査をしたところ,4時間以上寝ていた時に比べて,彼らは24%も過剰に食事をしてしまい,しかも,キャンディーやクッキーなどの甘いお菓子,チップス系やナッツ系の塩辛いもの,スターチをたくさん含んだパスタやパンなどを好んで食べてしまったそうです。太る食べ物ばかりですよね。

 さらに,睡眠不足によって,「Cortisol(コルチゾール)」というストレスホルモンが分泌されます。このストレスホルモンがインシュリンの分泌を促すため,体内に脂肪が蓄えられやすくなるという要因もあります(Jana Klauer MD(※2)の発言です)。睡眠不足は恐ろしいほどに太る原因を作ってしまうのです。そして睡眠不足は体の疲れを誘発します。

レプチンやグレリンという物質をご存知ですか?

レプチンは10年くらい前に発見された物質で、脂肪組織で産生されます。食欲を抑制する働きがあるホルモンといわれています。主に脳の視床下部の満腹中枢に働いて『お腹いっぱい!』という感覚を起こさせると言われています。

反対にグレリンは5年位前に発見された物質で、胃から産生されます。(ちなみに発見者は日本人の方です)食欲を亢進する働きがあるといわれています。

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